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車内民衆/9月4日 |
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仙台行き新幹線の車内で静かに本を読んでいました。 車両は上野駅に停まり、20人くらいの客が乗り込んで来たんです。 その中の二人連れが、私の後ろの席に座りました。 その席には、年の頃70歳くらいのご婦人が窓際に座っていました。 片方の男が、ご婦人に丁寧に相席の挨拶をして座りました。 座った途端、車内全体に響き渡るような大きな声で会話を始めたんです。 大きな声の男は、もう一人の男に対して先生と呼んでいました。その先生 はほとんど聞き役で、小声でうん、うん、とうなずく程度。 この状況がつぎの大宮駅まで続きました。私の隣も通路を挟んだ向こう側 の席の乗客も皆迷惑を被っているのですが、沈黙を守っています。一番の 被害は、窓際のご婦人と、直前席の私。 耐えかねて・・と言いたいのですが、結構ばかげた内容を少々楽しんでも いましたが、ちょっとお二人さんの反応も興味があって・・・・特に、先 生と呼ばれている地方の政治家と思しき人物の反応に興味があって・・ 「もう少し小さい声で話をしてもらえないかな」って、立ち上がって頭の 上から声をかけたんです。瞬間二人は顔を上げて私の顔を見上げ、時間が 止まった様な顔をしましたが、無言のまま・・・ 私が、腰を下ろすと、「俺は百姓だから地声が大きい。」「うるさいと言 われた。」「気分が悪い。」と少し小声で私当ての文句をぶつぶつと言い ながら、「先生、ご迷惑のようだから席を移りましょう。」と言いながら 少し離れた席へ移っていきました。その間先生と言われるダークスーツの 紳士はその男をさとしもせず、黙ってついて行きました。 さて、その他の乗客の皆さんの注目は、迷惑千万な自称地声の大きなお百 姓さんから、無謀にもそんな輩に声をかけた私に向けられた様です。横目 のチラ見を感じて私もこの車両の居心地が悪くなったように感じました。 世の中なんでこんなに難しくなったんでしょうね。 |
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