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笠置淳/7月16日



96歳まで頑固に生きてきた老人の告別式に参列した。

明治45年に生を受け、大正、昭和、平成と頑固一徹の人生だったと

氏の生き様を村の老人会長が別れの言葉の中で語った。

私も、少年時代に道で何度か会って話を交わし、時には大きな声で怒

鳴られた記憶がある。近年は、電動の老人カーを操って自由に徘徊を

している姿を見かけていたが、いつぞや見かけなくなった思ったら、

3年程病院の世話になっていたそうだ。老人カーの世話になる前は、

バイクで風を切っていた。バイクに乗れなくなってからは、自分の足

でどこへでも出かけていた。どこであっても、大きな声で挨拶し、凛

とした姿勢と表情は道で見かけなくなるまで変わることはなかった。

氏の職業は、今メディアのトップ話題である教員だった。されど、頑

固一徹の氏のような人間ならば今話題になるような事は無いに決まっ

ている。頑固だけでは今の世の中通用しないかも知れないが、優柔不

断な輩が多すぎる今に是非現れて欲しい個性で有るとも思う。また、

生まれ変われるなら、この頑固な性格も体験してみたと思う私である。