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溜め池の土手焼き/3月2日



田舎的景観は、人間がつくったもので、二次的景観などと呼ばれます。

棚田や段々畑などが皆さんに知られる有名処ですね。

国東半島には大きな川が無い地域が多く、稲作に欠かせない水を確保するために

多くのため池がつくられています。これも立派な二次的景観と言えます。

今日は、そのため池の土手に生える草や木を焼き払う作業に参加しました。

土手とは、水を堰き止めるためのダム(突堤)です。この土手の機能を維持する

ためには、土手の強度を低下させる木を生やさない事と、常に土手の状態が見え

るようにしておく事が重要です。

そんなわけで、毎年この時期に土手の草を綺麗に焼き払う作業が行われます。こ

の作業によって溜め池の姿を象徴する土手があらわになって、美しい二次的景観

がより顕わになるのです。皆が残して欲しい、残したいと思う田舎の二次的景観

は多くの人々の力を必要とします。

私がこの作業にはじめて参加したのは1985年だったと記憶します。当時は、

作業の邪魔をしない程度についてまわれば良かった私ですが、今は主戦力となり

ました。どんどん高齢化して人口が減少していく農村地域では、残したい、残し

て欲しい二次的景観の維持が難しくなりつつあります。

さて、あと何年この作業が続けられるか?

日本の食糧自給率が三割強とか?この作業が出来なくなった時がこの地域での稲

作が途絶えるときになります。これが日本の田舎の今と行く末です。どうする事

も出来ない現実をここ数年思い悩みながらこの作業に参加してきました。今年も

今日その作業を行いました。去年まで元気に参加していた85歳の老人が今年は

参加していませんでした。