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フジコ・フェミング/5月20日



フジコ・フェミングのピアノ・ソロ・コンサートを聞く機会を得た。

75歳にして、みなぎるエネルギーをピアノサウンドに変換して強烈に

その個性をぶつけてくる。

大方の聴衆は素晴らしいと感じ、その技術と音楽性を大きな拍手でたた

えた。

そう評価する基準はと考えてみると、それは芸術という、生活に直結し

ない世界であるからに他ならない。

生活に直結しない、むしろかけ離れた世界は、それを評価する基準を持

たないから、評論家などの専門家と称する人々の評価を採用して良い、

または、素晴らしいとする。あるいは、自分に出来ない世界の技能や技

術へのあこがれだろう。

それに引き替え、生活に密着した仕事は、大方その水準や基準が理解出

来るものだから、自分には出来なくとも大した評価はされない。また、

これらを評価する事を専門とする評論家などという連中も存在しない。

さて、そこで、我が母やcosmosさんの母上や近所の百姓を長年努めて来

たお爺さんやお婆さんとフジコ・フェミングを重ね合わせてみた。

私の物差しでは甲乙付けがたいと感じた。見事に実った大根やゴボウや

ほうれん草が身近すぎるものだから芸術として評価されない。 残念!