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我が村の今/2月4日



あちこちの二次的自然が荒廃していく。

考えようによっては自然回帰なのだが、人は、自分の育った頃の風景を

原点と考えることから、二次的自然の荒廃を残念に思う。

自然とは、その理想とは、何を守り何を変えなければならないのか。

我が村も耕作者の高齢化と若者の流出によって、耕作を放棄される農耕

地が目立つようになり始めた。

昭和20年後半に始まった柑橘栽培も輸入柑橘類との価格競争や消費志

向の変化でどんどん耕作が放棄され続けている。また、米や麦も価格下

落と耕作経費の高騰から、ジジババに託され、後継者だったはずの若者

は現金収入を求めて離れていった。

そのジジババが80歳を過ぎて田畑を守る限界に来た今、今後の方策が

求められる。そこへ来て、ちょうど良いタイミングで中山間地域への農

業環境改善の取り組みに対する資金支援が開始されてきた。ところが、

私の住む地域は、総耕作面積もさほど無く、河川も無いことから、多額

の改善投資をしても期待する農業環境の改善にはほど遠い。また、投資

に見合う事業収益が見込めないのが現状である事より、折角の中山間地

事業の補助金を活用した活動を進める事なく手をこまねいている。

まあ、狭い谷間の村だから、全耕作地の35%の中山間地の中のほんの

一地域だから、日本の食糧政策には影響無かろうが、私の想い出の中で

は淋しい時の流れの瞬間である。