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技能と技術/1月7日



技術立国日本・・・なんて言われますが、元もと日本は技能立国でしたよね。

それでは、技術と技能の違いは?なんて考えてみる事にしました。

いままで私が聞き及んだ技術と技能の解釈は、技能は人そのもので、その人が

死ねばそれで終わる。技術は文字やデーターとして継承できる形にしたもの。

なるほど、そうか・・そう思っています。

さて、例の頼りになるWEB辞書を開いて見ましょう。

大辞林 第二版より、
【技能】物事を行う腕前。技量。
【技術】(1)物事を巧みにしとげるわざ。技芸。
    (2)自然に人為を加えて人間の生活に役立てるようにする手段。
      また、そのために開発された科学を実際に応用する手段。
      科学技術。

田原宏氏
【技術】は多数の人により改善・向上されて、他の人や次の世代へうけ継がれ
てゆきます。その為に広い意味の文書化・マニュアル化が行われていて原則と
しては、これを読む事によって、受け継ぐ人は大幅に知識を得て過去の技術の
取得時間を短縮できます。当然ながらノウハウやマニュアル化されていない技
術も多くあり、また容易に内容が理解出来ない場合もあります。あくまでも原
則論です。

【技能】は特定の人が習得した能力です。これを、技術と同じようにかつ同レ
ベルで文書化・マニュアル化できれば両者を分ける必要はありません。現実は
それが可能になっていません。優れた技能を持つ人がその内容を文書化出来な
い事、たとえ出来てそれを読んでも同レベルの技能に達するまでの時間が長く
かかる事、技能者本人の指導がないと困難な事があげられます。


と、あります。

これらの情報から、私流に解釈させてもらうなら、誰もが理解できる物差しを

当てて数値化出来る水準が「技術」で、その測る物差しがないのが「技能」。

技能を自分身体の一部とした職人の技を「職人芸」などと表現するところから

きっと芸術なんですね。ゴッホやクリムトや左甚五郎の作品も技能ですね。

その技能を技術として書き表す為の物差しが発見出来ない。・・

技能とは、技術の根底にある崇高な世界なんでしょうね。

技術立国から技能立国への回帰が明日の日本を発展させるキーワードかもしれ

ないと思う今日です。

調べた私は、技能があるんですよ。・・それは、輪ゴムの蠅とりです。

百発百中ですよ。このごろ蠅がいなくなって技能の伝承が必要なくなって来た

ようです。・・さみしい!