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おうかん/2006年2月21日



人生の道なんて大げさな道ではなく、我が家の近くを走る道の話しです。

県道442号線/杵築−糸原線(きつき・いとはる線)と言う道路の事です。

杵築市の大内から武蔵町の糸原へつながっています。

私の子どもの頃、この道路のことを祖父は『おおかん』と呼んでいました。

たぶん、『往還』だと思うのです。

普段は、私たちの遊び場で、自転車を乗り回したり、缶けりをしたり、自転車

の分解したリムリングを転がしたり・・・

とても広くて楽しい広場でした。

もちろん、埃の舞う地球の素肌むき出しの、ごつごつした『おうかん』は容赦

なく私たちの膝小僧やむこうずねを削りました。

雨が降れば、水たまりを作って泥遊びを楽しませてくれました。

時折通るトラックやバスが私たちを追い散らすこともありました。

その『おおかん』もいつしかアスファルトの舗装がされて、真ん中に点線の白

線が引かれて、自動車がひっきりなしに走り行きます。

私たちの生活の大半を乗せて東西に走っていた『おうかん』はどこかへ行って

しまいました。