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ふと思う/2005年7月5日



少し揺れて、右側の窓をぱらぱらと連続したリズムで雨が叩く。

疲れ切った体と脳がその揺れと音に癒されて心地良い。

座席に置いてあった車内誌の「トランベール」を開いてぱらぱら

とページをめくる。そこに、郷土料理を紹介しているぺージを見

つけた。

なんてことのないコゴミの煮物や山菜料理が旨そうな写真と共に

紹介されている。

何気なく思った。・・

私の母も山菜や近くの海や我が家の畑で取れる新鮮な地元の食材

を使って私の口にはなかなかの郷土料理を作り出す名人である。

昭和3年の生まれ。・・そろそろ80歳が近づいている。

母と共にその味を遠い昔の思い出にするにはもったいないと思う。

さて、その味をどう残そうかなんて考えてしまった。

ふと車窓に目を向けると降っていた雨はいつの間にかやんで、闇

の中にぽつんぽつんと点る灯りが流れ過ぎていく。

ただ今、PM9時18分、そろそろ小山、宇都宮へはあと30分

ちょっとの距離。

眠気が私を襲いはじめた。このまま寝ては宇都宮を乗り過ごす。

睡魔との戦いが始まった。