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東京駅/2005年4月20日



13時10分、東京駅。

蒲田から京浜東北線の赤羽行きに乗り込んだ。

昼頃より小雨のぱらつく天気となって少し蒸し暑い。

電車は満員の客を乗せて走りだした。

少し重い鞄を網棚に放り上げてつり革にぶら下がる。

その状態のまま過ぎゆく車窓の風景を眺めて、気がつけば東京駅

だった。

開いたドアから雪崩れるように吐き出される大勢の流れに押し出

されたホームは3番・・・おや・・?3番といえば山手線のホー

ム?。理解出来ないまま階段を下り新幹線乗り場へと向かう。

その通路の向こうの売店に立つセーラー服の少女二人が妙に気に

なった。

細く、少し遠慮気味に湾曲した背中あった。

いつも見慣れた逞しい女子学生のそれとはあまりにも違って見え

た。

立ち止まれないまま視線を留めると、紙袋を店員から受け取った

二人はちょこんと頭を下げた。きっと、田舎から出てきた修学旅

行の子供だろう。

私たちが田舎に置き忘れてきたものがその背中にあった。

すっとこのままでいて欲しいなんて、手前勝手な事を思った。