車がどんどん進化して、これでもかと便利な機能を見せつける。
私が自動車なるものを知った時分は、床から棒が突き出していて、
そいつを左手でガシャガシャと動かしていた。
それも、床の前方から大きくキノコみたいに伸びたペダルが3本
あって、そいつを力任せに踏んづけながらだった。
どう見ても力強い男の仕事場に感じて、あこがれた。
そいつがどうだい、綺麗になって、まるでリビングの様な綺麗な
空間にすてきな椅子が置かれて、床のふかふかのカーペットの上
には小さなペダルが2つだけになった。
床から生えていた棒っきれもパッセンジャーシートとの間の洒落
た空間にオブジェのように置かれている。
何もかも変わってしまい、機械を操るという醍醐味は薄れてしま
った様に感じる。
その代わり、子供の頃にテレビで見た鉄人28号やサンダーバー
ドのような操縦感覚になった。
それはそれでいいと思うが、あの油の匂いのする運転席と言う男
の仕事場で車という機械を操作してみたい気もする。
便利は便利で良い。・・機械と一体となって操るという油臭さも
懐かしい。
そんな事を考えていたらマニュアル5速の軽自動車に乗みたくな
った。
そうさな、スズキのマイティーボーイなら最高かな。・・・ |
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