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仕掛けの世界/2004年10月10日



空間にはそれぞれの目的があって、その目的の為の仕掛けがある。

デパートもスーパーもショールームも皆同じ理屈で仕掛けられてい

る。たとえば、ブランドショップ・・・日常の生活感とは懸け離れ

た空間を演出してあこがれの世界をつくり出している。この空間が

商品を買う気にさせる。

先日、とある車のショールームを覗いてみた。総ガラス張りの重厚

な空間には生活感は一切無く私の生活環境とは全く懸け離れた異次

元空間であった。

そこには、ただただ、これ見よがしに個性を主張する商品が置かれ

ており、まるで未来の世界を見ているような気分にさせられる。

ちょっとしゃれたテーブルに案内されてイスに掛けて見渡すと、自

己の生活スケールが消し去られてしまう。

なるほど・・これならお客に高級な買い物をさせて満足感を与える

演出がきちっとできている。少々無理をしても買おうとする意欲を

かき立てる。・・なるほど・・


先日冷やかしに行ったO君の販売店とはコンセプトが大きく異なっ

ている。O君の販売店は生活感溢れる空間だった。ショールームに

は子どもを遊ばせる場所があって、トイレの入り口には安っぽいレ

ースの暖簾下がって、イスは少々くたびれて、そのイスに掛けると

事務所の腐った机が垣間見える。お客さんのためを思って便利にし

て、お客さんのためを思って経費を節約して値引きに努めているの

だろう。・・

自分が日常生活する空間と何らかわりのないその場所で数百万円も

する車を買おうなんて気が起こらないのは私だけだろうか?


世の中には時間を掛けて先人が研究してきた法則や理屈があって、

それを上手く使いこなして行く事が必要だろう。益々過酷になる販

売競争を勝ち抜くには更なる工夫が求められる。

どれが本当に良いのかは個人の置かれている環境や経済的な事情な

どの多くの条件が複雑に絡み合って判断される。

ただただ私個人の見解を述べてみた。いち個人のたわけた意見かど

うか?・・確かめる価値はあると思うのだが・・・・