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蝉/2004年7月14日



「夏の朝 枕にしみいる 蝉の声・・・」

いやいや、「閑かさや 岩にしみいる 蝉の声」

松尾芭蕉は、時雨のように降り注ぐ蝉の声を静粛の世界として表

現しています。・・・すごい感性ですね。

我が家は自然豊かな山間部にあり、朝早くから蝉が一斉に身体を

震わせてジージーとなきはじめます。

まるでスコールでもと思えるほどの音量で太陽をも目覚めさせて

いるようです。

勿論私もこの音にはなかなか慣れなくて、薄目をあけて時計をみ

て、両手で耳を塞いで必死に元の眠りへ戻ろうと努力します。

その戦いが1時間半ほど続くと、いつもの起きる時間がやってき

ます。

あの小さな身体のどこからあの大きな音が出るんでしょうね。

短い命の蝉を許してやろうと両手で耳お押さえながらうつらうつ

らと浮遊する私です。