sub1865

靴磨き/2004年3月21日



毎日お世話になる靴。

滅多に磨いてやらないものだから薄汚れてくたびれてきた。

時には磨いてやろうと重い腰をあげて磨きはじめた。

真っ黒な靴墨を古びたタオルに付けて満遍なくくたびれた表

面に擦り付けていく。

私の足の癖で少し歪められたかかとの内側、つま先は何処か

にぶつけて擦り傷が無数、真ん中当たりの内側にはブレーキ

ペダルでこすられて白茶けた皮が露出し始めている。

その一つ一つにしっかりと靴墨を擦り込んで行く。

ロウが乾いた頃を見計らって柔らかい布で磨く。

なかなか消えてくれない傷に再び靴墨を擦り込んでは磨く。

何度となくこれを繰り返して、何とか疲れた肌を隠せた厚化

粧が完了した。

靴ブラシで余計な靴墨を払い落として眺めてみる。

私の足が毎日お世話になって、その足の癖でねじ曲げられた

靴が少しだけきれいになった。

時々磨いてあげようと思うのだが、ついつい忘れてしまう。

きれいな靴は気持ちが良い。

ちょっと肌寒い今日。

靴磨きで少しだけ暖かくなった気持ちと体である。