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におい/2003年8月20日



どぶネズミ色のスーツに汗の臭いを閉じこめて、誰にも気づかれないよう

に涼しい顔を装っている。

時折車内の扇風機が涼しい風を運んでくれる。そいつが巡ってくるのを心

待ちに暑さをじっと耐えている。

電車は次の駅に停車して、せっかく空いていた隣の席を若い女性が埋めた。

風通しが悪くなった分だけ暑さが増して行くのを感じる。

さらに、きつく刺々しい香水の香りが私を執拗に攻撃する。・・暑い。

じっと目を閉じて、扇風機の一瞬の風が吹き抜けるのを待つ。

本来、香水の文化はヨーロッパで生まれたもの・・

肉中心の食生活が強い体臭を作り、その体臭を消す目的で香水が使われる

様になった。

ここは日本。日本文化は、奥ゆかしさが基本。香りも時折ほのかに香るの

がいい。風も時折吹いて来て心地よい涼しさ感じる。

汗くささも時折臭って力強い男の体臭・・ああっ暑い・・