sub1611

42D/2003年8月20日



今日の席は42D。一番後ろの真ん中である。

いつもは比較的前のほうの通路と決めているが、今日は帰省客の

Uターンラッシュど真ん中。満席の上にぎりぎりの駆け込みでは

席を選ぶことなど許されなかった。自動チェックイン機は冷たく

「お任せ」ボタンのみが点滅して、「これしかないぞ」と私を脅

していた。

与えられた席に腰掛けて前方を見渡す。最後尾の身動きできない

この席もなかなかであることに気づく。すべてが見渡せる優越感。

降りるときにあわてずゆっくりと支度できる余裕。表現次第では

なかなかだが、見方を変えれば、せっぱ詰まった最悪の席だった

のかも知れない。ものは考えよう。そんな席に1時間と20分ほ

ど体を預けて、目覚めるとそこはネオン瞬く東京の空だった。

あわてふためいて列を作る大勢をあざ笑いながら、ゆったりと身

支度して最後の花道を歩いた。・・なかなかいい気分だった。