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17日/2003年8月17日



今日も国東半島の空気を蝉時雨がふるわせて朝があけた。

ニイニイゼミに始まった夏もアブラゼミのより賑やかな鳴き声に

変わり、今はクマゼミの蝉時雨となった。

盆がすぎて、帰省していたご先祖様も遠い冥土へ戻り、懐かしい

ふるさに帰省していた人々も都会へと帰って行く。

いつもなら、灼熱の残暑にあえぐ筈の今日だが、異常気象のせい

で肌寒い程涼しい。

じっと椅子に腰をかけて目を閉じれば、せわしないクマゼミの蝉

時雨がうねるような強弱の読経に聞こえてくる。

やがて、ミンミンゼミの鳴き声が遠くの山から響き、ツクツクボ

ウシのさわやかな蝉時雨の晩夏へと風がながれて行く。

灼熱の暑さが国東半島をさけて行った今年の夏、クマゼミの蝉時

雨の向こうにツクツクボウシの澄んだ鳴き声が聞こえたような気

がした。

明日には厳しい残暑の太陽が国東半島を照らして欲しいと思う。

もう一度透き通った夏の空気と光を楽しんで秋を迎えたい。