sub1572

風/2003年7月15日



四方八方ふさがれた六面体の中でうごめいている自分がいる。

喘げば喘ぐほど、どんどん隙間が狭まって、気がつけば頭は六面体の角

に押しつけられて、その形を三角すいに尖らしている。

少しだけ冷静になって、「ふ〜っ」と息を吐いたらちょっとだけ楽にな

った。

もう一回、「ふ〜っ」と息を吐いたらまた楽になった。

何度も何度も息をはいて、どんどん楽になって、そのうち私を取り囲ん

でいた六面の壁が遙か遠くへ消えて行った。

怒っていた肩もすっかり力が抜けて、とがっていた頭も元のようにいび

つな丸に戻っていた。

右手で後ろ頭をさすると大きなこぶある。左手で右腕をさすると、ここ

にもこぶがある。恐る恐るこのこぶに目をやると、それは赤く充血した

角だった。この角が体中から生えて、私に与えられた空間を突っ張って

いたようだ。何かに反発して、何かに肩肘張って、何かにいじけて、そ

いつが角になっていたようだ。

「ふ〜っ」・・力を抜いて気持ちが丸くなって行く。

「ふ〜っ」・・力を抜いて角が引っ込んで行く。

人間、りきんでも焦っても足掻いても、自分を責めるだけ。

力を抜いて、自分を信じてやりましょう。・・・風のように・・

そう思いました。・・今日・・