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今を見たい／２００３年７月１１日

今ここに自分が居て、軽い頭を力任せにねじ曲げて後ろを振り向いたら

昨日の自分が苦虫を噛みつぶしたような顔をして坂道をのぼっている。

足下に目をやると、ぬかるみで、膝小僧のちょっと下まで埋もれている。

手には大きな大根と金槌を持って、首には破れかけた白い袋をかけて、

その袋の口からトウモロコシの髭がはみ出している。

一体何をしているんだろうか？。

その首をもう一度ひねり戻して前を見ると、小さな子どもたちが楽しそ

うに歩いている。

広々とした緑の草原が広がり、青い空がその上に見えた。

今の自分が見たいと思うが、首を振っても、頭を動かしても、後ろと前

しか見えない。それどころか、首を振るたびに後ろも前もどんどん見え

なくなって行く。