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帰り道/2003年1月2日




久しぶりに私の通った小学校(旧南安岐小学校)まで歩いてみた。

小学校はすでに移転して、その跡地は藪と化している。

当時はとても遠くに感じたが、今歩いてみると20分ほどの距離だ

った。家から歩き始めて、城越しの坂、お地蔵さん、舟道、三郎丸、

懐かしさの連続だったがが、小さなあぜ道や脇道の記憶が戻ってこ

ない。そこから見える景色は懐かしいのだが、ただそれだけの往路

だった。ところが、帰路は全く違って時間の進みまでもよみがえっ

て来る様に感じて、いたるところで立ち止まらせる。

そうか、朝は余裕が無く、一生懸命学校までの道のりを歩いたのだ

ろう。道とにらめっこをしながら、時折景色を眺めたのだろう。そ

れとははんたいに、帰りは時間がたっぷりある。三郎丸への寄り道

や、浄泉寺の本堂の探検を含めて、通学路からその周辺まで隈無く

歩いて観察する余裕があった。そんなことから、帰り道は詳細に記

憶がよみがえって来る。お墓の前の溝にはまった事や、少し探検を

した裏道や、蛇に道をふさがれて竹で追い払った場所や、椎の実を

拾った森や、怖い仁王さんのあったお堂や、・・帰りみちはどんど

ん私の奥深くに眠っていた記憶引き出して来る。

人間余裕が楽しい思い出をつくるんですね。スピードを要求される

2003年が来ましたが、大切なものを見落とさないように、楽し

い思い出をいっぱいつくれる様に、少しだけ余裕を持とうと思いま

す。2003年を良い年にしようと思います。

そうだ、私の人生も折り返しにさしかかっているのかもしれません。