sub1286

自然の風景/2002年9月1日




田舎の風景に自然はあるのか?。

息を飲むほどきれいに積み上げられた棚田も、その棚田の中

にうねるような規則正しい稲の畝も、小川の流れも、道端の

小さな地蔵も、その地蔵を優しくかばう樫の木も、そのほと

んどがその地を愛して、その地で必死に生きてきた先人が汗

と血で少しずつ作り上げたものだったことに気づいた。

自然とは、地球の空気と水と太陽の光のエネルギーを借りて

植物が作り上げた風景。日本にその条件を満たす自然の風景

と呼べるところがどの程度あるだろうか。

ここ国東半島も先人の手が自然との共同作業で作り上げた風

景が田舎の風景として見事な造形を残している。

いつまで人の思いが風景の中に残るのか、自然がそのすべて

をのみこんでしまうのか。

もうしばらく、人の意志と自然が融合した風景を見続けさせ

て欲しい。