sub1224

つゆ/2002年6月13日



鬱陶しいとかジメジメするとか、梅雨って嫌われもので

すよね。でも、私は結構好きな季節なんです。

子供の頃、我が家はかやぶき屋根の家で、結構気に入っ

た縁側があって、雨の日はこの縁側に寝ころんで水たま

りに落ちる雨の作る波紋や水泡坊主を眺めてましたね。

これを眺めていたのは私だけではなく、かやぶき屋根に

穴をあけて住み着いた雀も子育てをしながら眺めていま

したよ。雀は、私と違って恨めしそうに眺めていたと思

います。

雨が小降りになると、長靴をはいて、傘をさして、近く

の杉の木やしろ草やフランの葉に遊ぶカタツムリ君に会

いに行きました。

ゆっくりと、つのを出したり引っ込めたり、体を縮めた

りのばしたり、その動きはいつまで眺めていても飽きな

かったな。出てきたつのに指でいたずらをすると、すっ

と引っ込めて反対のつのを出す。時間を忘れて眺めてま

したね。

近くの池に釣りにも行きましたね。水面に落ちる雨の間

にウキを浮かべて、雨を眺めていたのかウキを眺めてい

たのか、大きな傘の中の小さな世界に自分だけを置いて、

傘と地面が作る窓から雨と水の世界を楽しんでいました

ね。

あれから四十数年を経ても私は梅雨が好きです。国東半

島はしっとりとした梅雨の時期がが最も美しいと思いま

す。木陰にはえた苔も、寺の大きな屋根も、庚申塔も仁

王も、乾いた季節には気付かなかった豊かな表情を見せ

てくれます。雨の国東半島をゆっくり車で巡る楽しさを

是非とも多くの人たちに知って欲しいですね。

夕刻から雨・・梅雨です。