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床屋/2002年1月26日



今日は雨・・薄い髪がうっとうしくなってきたので、

床屋へ行った。

幸いなことに、順番待ちをすることもなく、散髪が始

まった。

床屋は、親子2代の3人でやっている、ごく一般的な

家内散髪屋である。

その日の状況で誰に当たるかはわからない。今日はお

かみさんが私の担当となった。おかみはサービス精神

旺盛で、何とか私との共通話題を見つけだそうと努力

してくれる。この努力が涙ぐましい限りなのだが、少

々変人趣味の私とは、どうも歯車がかみ合わない。私

も、彼女の気持ちを察して、話題を季節やテレビに持

っていこうとするのだが、彼女も頑固に話題を変えな

い。ちょうど洗髪が完了し、椅子が倒されたのを機会

に、私は狸寝入りを決め込んだ。じっと目を閉じて、

生半可な返事を続けるうちに、彼女の話も止まってい

た。こうなると、なんだか退屈にってくる。そこで、

彼女の仕事を分析することにした。私の顔に石鹸の泡

を塗り、蒸しタオルをのせる。この工程が実にムダが

多い。まずは、かちゃかちゃと石鹸を泡立てる音が聞

こえ、5歩くらいの足音が聞こえる。私に石鹸を塗る

のかと期待したが、いっこうに石鹸が塗られない。ま

た、5歩くらいの足音がして、やっと私の顔に石鹸が

塗られた。このように、各工程ごとに歩行のムダが間

にあり、客の期待を裏切る。この日は1時から聞きた

い講演があり、十分に時間があると思っていたが、こ

のムダのおかげで聞くことが出来なかった。私が椅子

に座って、おかみの話に気を遣って、狸寝入りをして、

椅子を起こされるまでの時間は1時間と40分が過ぎ

ていた。更にこの後、髪のセットがあったが、急いで

いると断り、そさくさと店を出て、講演会場へ向かっ

たが、途中で諦めた。私の散髪代は3千円。これでは

8時間の労働で4人しか消化出来ない勘定になる。客

も少ないからゆっくりやったわけでは無い。忙しいと

きもこのペースである。このことを学習できていなか

った自分を反省した。ひょっとして、ワークシェアリ

ングを実行しているのかもしれないな・・。