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百姓/2001年2月12日



本日、庭木の剪定をしました。朝から5時間ほどかけて、モチの木

と樫と、あわせて4本の剪定をしました。

木のてっぺんによじ登り、あたりを見渡すと、崩れかけた田んぼの

石垣が見えます。その石垣を眺めながら百姓の仕事について考えま

した。私の親父も、祖父も百姓です。その親父と、祖父の仕事を思

い出しながら・・百姓って、いったいなんだったんでしょうね?。

米や麦等の穀物から野菜はもちろん、味噌や醤油や酒や酢などの調

味料も自分で造っていたんですね。祖父が、蒸した米や大豆に麹菌

をまぶして、むしろの上で丁寧に混ぜながら、作業をしていた様を

思い出します。

土木工事も自分たちでやっていたんですね。水田も、傾斜地を掘り

起こし、石垣を築いて棚田を造り上げていったんですね。水路やか

んがい用の溜め池も自分たちで作り上げたんですよ。私が小学校に

上がる頃、農業用水用の溜め池の土手工事を村人総出で行っていま

した。仕事の割付から、測量から、土砂の運搬から、そのすべてを

自分たちでやっていました。祖父は水田の耕地整理の責任者として

土木工事を行いました。このおかげで、我が村の田んぼはきれいな

四角形が整然と並び、灌漑の為の用水路も整備されています。土木

機械の無い昭和初期にこれだけの工事が出来た事自体驚異に感じま

す。

こうやってみると、百姓ってなんなんでしょうね?。生活に必要な

すべての技術を自ら身に付け、行って来たんですね。生きるために

必要な知識を必死で身に付けたんですね。・・今の百姓は穀物生産

より楽な脱百姓を選び、サラリーマンへとその仕事を変えてしまい

つつあります。残念ですが、昔の百姓はだんだん滅びてゆきます。

・・この百姓が製造業に散らばって行き、百姓魂が日本の製造業の

発展に貢献してきたと思います。しかしながら、百姓魂が消えかけ

て来た日本の製造業はこれからどうなるのでしょう?。やや心配で

すね。

私の先祖も百姓です。これを誇りに思ってサラリーマン人生をもっ

と頑張ってみようかなと思います。

木のてっぺんはいろんな事を考えるのに向いている場所です。・・

来週の休日も木に登ろうと思います。・・・・