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企業の発展/7月13日



顧客の欲する物や情報やサービスを提供することにより、その

価値に値するお金をいただき、それをエネルギーに回転し続け

る。顧客に提供する商品をつくり出すために、必要な費用を顧

客からいただく。この売価が生産費用を上回れば、それが企業

を大きくするエネルギーになる。もちろん、企業の成長性をか

たに資本家からの投資エネルギーで膨張する場合もある。しか

しながら、これは成長では無く、膨張である。時としてしぼむ

場合もある。利益を得るために最も重要なことは、顧客に対し、

欲しい物やサービスをより高い品質で、より安く感じる売価で、

即座に提供と提案することである。

表現的には非常に単純であるが、この中には大きく2つのポイ

ントがある。その一つは、『より安く感じる売価で』である。

今までの売価の考え方はより安くである。これは、同じ様な価

値を有する商品で競争する場合に当てはめれば、その通りであ

る。これからの商品はこれではいけない。競争相手の商品に比

較して、明らかに魅力を放つもので無くては製造費用以上の売

価設定などあり得まい。魅力は商品を高く買わせる魔力である。

この魔力を与えた製品創りが重要となる。もちろん、ムダを徹

底的に廃し、限界の原価でのものづくりは当然の条件である。

もう一つは、『即座に提供と提案する』である。折角、顧客が

欲しいと思うチャンスに商品の提供が出来ないのではなんにも

ならない。また、新しい欲望を生む提案が出来なくては、他社

に先行出来ない。これは、顧客のニーズや嗜好を的確に捉え、

将来の変化を高い確度で予測する事が要求される。すなわち、

顧客の欲しい物を先取りし、鼻の先にぶら下げる力である。も

ちろん、現行製品の生産も販売情報を精度良く収集し、それに

合った生産対応も重要である。この二つを理解し、実行して行

けば企業は利益を得続け、その利益で更に発展の活動が可能と

なる。しかし、この様にして大きくなる企業にブレーキをかけ

る出来事があった。

マイクロソフト事件である。私たち消費者にとってマイクロソ

フトは多くの可能性と便利を提供してくれた。そのおかげで多

くの利益を上げ続け、今日尚発展を続けている。なのに、なぜ、

・・それは、複数の製品を抱き合わせ状態で販売する方法を採

った事にある。必要なソフト以外についてくるソフトにも金を

払っているとだれもが考える。すなわち、たとえサービスのつ

もりで付けたソフトでも消費者としては、無駄な物を付けるく

らいなら売値を下げて欲しいと思う。それにしてもマイクロソ

フトの先見性はすばらしい。消費者の欲しいと思 う物を先取

りしているのではなく、欲しい世界を創りだしているのだ。

こんなすばらしい企業が何で誤解されるような商売の手段を取

ったのか?。何を間違えたのか?。早くこんな騒ぎを解決し、

更なるすばらしい世界を提案して欲しい。

企業の発展はやさしくもあり、難しくもある。企業に働く人の

能力を尊重し、人を大事にし、人をもっとも大切な財産と考え

る経営者が企業を繁栄させる。人はすばらしい。すばらしい人

が企業を発展させる。発展する企業は人の重要さに気づいてい

る。