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秋葉原のかぜ/7月11日



私が田舎から東京に出た頃の秋葉原は人がごった返し、道路

にも商品があふれ、商品の箱を抱えた人の列が駅へ向かって

いるのが当たり前で有った。秋葉原の役割は、・・豊富に品

揃えをし、商品の技術情報や新製品情報の提供と、より安い

価格での商品提供であった。それから、バブル絶頂期を迎え、

海外にも秋葉原が知れ渡り、買い物客は日本人から外国人へ

と変化していった。そして今、秋葉原に吹く風が変化し始め

た。変化し始めたと感じた。

7月11日15:00秋葉原30度を越す真夏の暑さの中を

秋葉原散歩した。特に目的はなかったが、時折にしか行けな

い秋葉原を訪ね、自分の会社の商品がどのような値段やどの

ように扱われているかを知ろうと・・秋葉原のメインストリ

ートを歩き始める。先ずは、歩きやすい。歩き易い人の数で

しかない。以前は道路まではみ出していた商品も見あたらな

い。また、チラシを配る呼び込みも滅多に居ない。

ショップにはいる。・・店内にも人はまばらで、店員も声を

かけてこない。店員の数も以前とは比べものに成らないほど

少なく感じる。

商品の陳列にしても、より多くの品揃えから人気商品の展示

へと様変わりしている。少し裏通りのショップを覗くと、そ

こは倉庫に等しい。人気商品の段ボール箱が山積みされ、店

員は一人か二人。ショップの出入り口のカウンターに座り、

客が段ボール箱を持って来るのを待ち、金を受け取り宅配の

処理をする。これで秋葉原駅を商品の箱を持った人が少ない

理由が理解できた。この様なショップが増加していたが、こ

れも少しずつ減少してきている。客はわがままになってきた。

自分の欲しいものをより安く、より簡単に手に入れる方法を

選ぶ。これが通販へとものの流れを変えようとしている。

IT、インフォメーション・テクノロジー・・自宅でパソコ

ンの前に座り、情報を確認し、その情報に基づいて商品を決

める。各通販の売価とサービス情報を調べ、発注する。昔は

秋葉原のショップの店員が製品情報の重要な窓口だった。

そして、各ショップ巡りが売価とサービスを知る手段だった。

これがパソコン上でインターネットを通じて簡単に出来てし

まう。この状況を無視した商売はいずれ無くなることを予測

できる。今日の秋葉原は如実にこの流れを感じさせてくれた。

秋葉原の役目がいつ終わりを迎えるのか?そう遠い先では無

いだろう。消費者の物の買い方に、製造業の物の提供の仕方、

サービスの方法をいかに合わせて行くかが重要になる。製造

業だけに止まる問題では無い。サービス業も同じ道を辿るだ

ろう。保険、金融、医療、・・情報ハイウエイ、消費物流ハ

イウエー・・いよいよおもしろくなりそうである。農業や漁

協もこうなる可能性を持っている。

時には秋葉原へもかぜを感じに行くべきである。・・現在、

たいていの企業は、直販ではなく、量販店や小売りに頼った

販売を行っている。この量販店や小売りから通販へと変化し

つつある。こうなると、製造業自らが通販してこそ究極の販

売に到達するのではないか。

もちろん、量販店や小売店に頼っていたサービスや修理の業

務をどうするか、辺鄙な田舎の地への供給をどうするのか?

と言った問題を解決する必要は有るが。・・こう考えるとセ

ブンイレブン構想はすごい!全てを解決してくれる答えがあ

る。直販は、製造業が直接顧客と対話しながら、顧客ニーズ

にリアルタイムで応じ、つくりすぎのムダや顧客ニーズ合わ

ない製品の製造が防げる。もちろん、流通コストも削減出来

る。顧客も、自分の欲しいものをより安く、より簡単に手に

入れることが出来る。そして、サービスや修理に関しても心

配することが無い。いずれこの様な製造と顧客の直結が実現

する。それも直ぐで有るように思えた。

今日の秋葉原はいつになく暑く感じた。ここからあふれた労

働者は、新たなサービス業を創造し、それを担えば良い。た

とえば、物流運送や空き箱の回収や商品のセッティングやイ

ンターネットの情報提供等々。ものの流れは変化するが、そ

の商品に関わる総仕事量は減らさずとも良い。工夫次第では

更に増やすことも可能だろう。まだまだビジネスチャンスは

転がっている。そのかぜをいかに人より早く感じて実行する

かが重要である。

・・みんな同じアンテナを持ってる。そのアンテナを目一杯

使って早くかぜを感じ取ろう。IT・・いかに自分の道具に

するか?どう

活用するか?乗り遅れるな・・乗り遅れまい。